五月の頭からずっとネックレスとブレスを作ってます。
定番から外れた、それでも使いたいと思う鎖や革を完成品に。
もう十数年放ったらかしだった部材。
埃をかぶってネタネタになって…元はね、抜群に可愛い子なんです。
数年前からそういう廃盤の鎖や紐を加工する準備をしてた。
金具の始末や初めての人では扱いにくいもの。
置いてたらゴミ。実際数十年ゴミ扱い。
でもちゃんと可愛くしてあげようと思えば、動けば、ものすっごい可愛くなります。
私の仕事は、作り手サイドから、皆さんがデザインに悩ましいものとか思いつかなかったものを提案すること。
うんと昔、まだ20代前半の頃、アルバイトをしていたジュエリー屋さんで言われました。
「可愛いもの、誰もが好きそうなものはほっといても売れます。あなたの能力ではありません。」
「あなたの仕事は可愛さを説明しないと、伝えないと。真の可愛さを秘めたモノを紹介することです。」
「あなたは時給以下の仕事しかしていない。はい、頑張りなさい。出来ます、やりなさい。」
恥ずかしくてやめたくなりました。笑。
100万の指輪を売ったところで、売り場一の売上を出したところで
それは私の能力ないですよ、とカウンターパンチでしたから。
今思えば、そう言ってくれた方は25歳ぐらいでした。
今の私からすると「自分の子供」のようなお年です、笑。
ぱっと見、「あんまり」な子を「どんなふうに使えるか」「すーっごく可愛くなるんすよ。」を考える。
しんどくなったり、あまりの数の多さにやけっぱちになったりする時に
いつもその人が言った言葉を思い出します。
「あなたは、時給以下の仕事しかしていない。ただ居るだけ、それは時給泥棒。」
あぁ、もう一回会いたいな。叱ってほしいなと思いながら頭をこねくり回し作業。笑。