【 実はね 】

ずっと探してた布を巻く芯地。やっとみつけた。
これでやっと幅を揃えて陳列できる。

反物やテイラー屋さんで使われてるそうで。
たくさんいらないんです、でも綺麗に揃えたいんです、と問い合わせ何とか分けてもらえた。

生地は本当なら棚にしまってる方が色褪せなくていいのだけど。
棚の中に忘れられたように重ねて入れてるのがすごく嫌だった。
こんなに綺麗なのに。

場所は決まってないけど。

布も紙もパーツも「実はね、とっておきがあるんです 」みたいにうやうやしく奥から、並んだ棚から出してやりたい。

昔に、靴をそんな風に地下から出してもらったことがある。

私は足が小さいので店頭に置いてるものはほとんど合わなくて靴探しに難儀してた。
のりの軽いおじさん2人がやってる靴屋さんだった。今もあるかな。
おじさんのノリはそんなんだけど、売ってるものはとってもエレガント。
何足か履いたけどやっぱり合うのないんだよね。

「あぁ、ちょっと待っててや、あれやわ」って軽いおじさんが奥の階段を降りて綺麗な箱を持ってきてくれて中からそーっと出てきた白いパンチングの革のミュール。

「これ、脱げへん。イタリアの靴小ちゃいねん。自分でもはける。ちょっと高いけどね。」

当時の私には目の飛び出る値段だったけど即買い。

そういうのが好きだ。

布はバーにかかってたり芯に巻きつけられてるのが一番美しいし、
特別なパーツやアクセサリーは本当なら手袋つけて陳列箱に出してやりたい。

出番を待っている時から綺麗に座らせてやる。

そして行く先が決まった時にはそれに似合う小箱に入れてアトリエから出してやりたい。あ、これ本当に箱入り娘だね。笑。

素材や出来たものが一番良く見えるようにする舞台が芯だったり箱だったり陳列什器だったり、添える一言だったりする。

モノを売ってるんだけど、それだけじゃない。


すべてに当てはまるわけではないけど、モノを手に入れる時、

「扱われ方」で

「満足感」は何乗にも膨れ上がると思ってる。


大事に扱っていたものを、人はぞんざいに扱わない。

そういうものを手に入れた自分に楽しくなったり、自分もそうしようと思ったりする。

逆もしかり。


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