ひと月ほど前に鋳造機が潰れました。



すぐ家具屋の知り合いの修理屋さんに電話したのですが


ふと。思った。


もう、この鋳造機何回修理してるんだろ？


新しいの買う頭金ぐらいは払ってる。


修理屋さんも高齢。いつまで見てくれるかわからない。


治してもまたどこか具合が悪くなる。

…もう限界か。

鋳造だけをしてくれる業者がないか方々問い合わせてみた。


数件電話や返事をくれた。多分興味本位でかけてきたんだろう。



「え、まだ錫合金の鋳造やってんの？うちはシルバーに切り替えたよ」

「え、まだあの機械使ってんの？うちはもう廃業した」


「え、鋳造だけ？数は？え？そんだけ？無理やわ」


惨敗。


何とくわかってたけどはっきり分かった。


この製造ラインを持ってて私のような数しか作らない業者は存在しない。



何でかって食ってけないから。



バカらしくてやらない。



かと言って丸投げで全部一から作ってもらうのもできない。



何でってそのほかのもの全部持ってるから。



私の仕事の仕方( 生産の仕方）は多分日本にも世界にもない。



「あら素敵、いやん可愛い」では飯は食ってけない。




私は一人だから何とか食ってるが。


家の子郎等いる企業ではやってはいけない生産体系。



趣味でやるにはバカみたいに高くつく。





今更ながらすごいもの持ってて変な仕事の仕方してるんだなと実感。

ほかの仕事が出来るわけでもない。


人間死ぬ気になったら何でもする、と言うが


アラフィフのおばさんに何が出来る？

何が続く？

社会経験2年しかないのに。これしかやったことないのに。

一人でしか仕事したことないのに。


これ以外何にもできない。



死ぬ気でやったとしてその前に心が死ぬ。

パーツを作る材料、錫合金のインゴット。250kgある。


毎月1〜2㎏鋳造してパーツを作っても10年分以上、笑。


生産を丸投げしたら全部が水の泡。


機械が高くても持ってるものを消化する、しかも自分のやりたいように。



と言う選択肢しか残らない。

研磨機。



もう重たすぎてしんどい。


20㎏近くの研磨槽を4個、水場まで運んでひっくり返す作業が年々辛くなってきた。


潰れてはないのに買い換えるのは…


でも、もう後何年これ持ち上げられるか自信ない。




も、いい。考えんのしんどい。

私にとっては機械は家電だ。


鋳造炉は300キロのカレーを煮る鍋。

研磨機は400度のたこ焼き機。

研磨機は高速で回る洗濯機。



家電の買い替えどきは「欲しいと思った時！」


決行。


明日です。



10月からは平日も店開けてしゃかりきに頑張ります。つもり。

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