【 花壇記 続き】

玄関の全てが気に入らない。

ので改善着手。

まず、玄関のレベル調整。

うちの玄関は傾斜がきつい。鳥籠を置いても前倒しに傾いてる。

3日6キロ先のホームセンターに歩いて通って何やら部材を揃えた。(企画展中午前、笑)

改善後。左のレベルをかなり上げた。水平器を買って隙間パーツを買って。

次、気に入らないととこ。植木の位置。低い。まとまってない。左右対称が好きだ、アンバランスすぎる。

本当は紫檀の花台とか陶器の花台が欲しい。鉢も対で欲しい。

でも私の欲しい大きさと模様の植木鉢がない。特大サイズ、手書き染め付け六角ナマコ脚の山水画の鉢。

あるもので、出来ることで。

植木台。中は2枚組の集成材。側を全て真鍮で。

木は腐る。数年もてばいい。だから紫檀の花台など使えない。

全部バラして同じ寸法の木さえ使えばまた使えるように作った。

高さ保持とどの鉢にも生えるベーシック&シャープさとレベル調整の出来る花台。

12月から3月までバージョン。
常緑のメルヘンの木とシクラメン用の志那鉢。
支那鉢の茶色と低さが鳳凰と同化しすぎぎて目立たなかったのを高さを出す事と真鍮で少し明るくさせた。

3月から4月バージョン。

特大の六角染付梅柄鉢にはチューリップを植えた。

5月〜11月バージョン。
植え替えた藤と紅葉。
初春には藤の花と赤い小さな紅葉葉。夏には勢いよく萌える葉、秋は紅葉。

と言うローテになっている。


では、使ってないときは?

控室製作。

鉢は重い。私が持ち運び出来る大きさは10号鉢が最大だ。それ以上は誰かに頼まなければいけない。

面倒臭い。一人でやりたい。毎日世話できて移動できる位置に置くこと。

溝の中だ。ここにスッポリ収まる台座を作る。ここなら水もやれる、管理もできる、人に頼まなくて良い。

控室完成。一段下がってるから景観も公道にも邪魔しない。管理もできる。

日曜に山に苔を取りに行った。鉢の化粧と防寒を兼ねた山苔。

街で買った苔は山の気温に耐えられないから自給自足。

枯葉やゴミを水で流して取り除いて綺麗にする。

火鉢に無理やり入れた紅葉と藤。植え替えやすいように高盛りで。

10年ほったらかしだったので根もパツパツ。

紅葉は父が飛んできた種を10年かけて育てた。その先は私にバトンタッチ。

かなり根をいじめたから生き延びるのか不安。

数日の寒波で凍ててしまったシクラメンにも苔を。こんなんで防寒になるのか分からんが。



お客様に

「どうやったらこんな風なディスプレイになるんですか?」ってよく聞かれます。

一つは「好きなものを集めるより、嫌いなものを排除すること」

もう一つは

「次のご飯のメニュー以外に考えることが金澤邸を飾ることしか考えてないこと」


今でも綺麗なんじゃない?
余計な部材使って勿体無い!

まー。好きに言ってくれ。苦言も助言も甘んじて受けよう。

お客様にも言われたな「整形病」って、笑。


玄関は「顔」だ。
部屋中は「中身だ」
金澤邸は「私でありchielだ」

私は「金澤邸」という「繭」の中で生きてる。

私が心地良く仕事し暮らし、訪れる人がときめく場所であって欲しい。


ドキドキして扉を開けワクワクして気に入ったものを選んで名残惜しく扉を閉めてもらうまでが私のパフォーマンスだ。(接客態度は除く)

そうあって欲しいと思うから玄関は大事。最初が肝心。


こんな山奥にわざわざ来てくれて、街中では見れない光景を見て欲しいと思う。


パーツや完成品だけを売ってるんでは無い、空間を時間感を提供する仕事だと思ってる。




私の「花壇記」の根っこはそこだ。


根がしっかりしてれば枯れないのだ。


本来なら「企画展にご来店頂き、ご愛顧頂きありがとうございます」と言わなければいけない時期だけど


また来年も「日常をから少し解き放たれ、癒され、ドキドキして、作る楽しみにワクワクする」場所を

準備したことをお知らせしてしまいました。

人が「望んでるように」動くことが好きです。


いつもと違う紅を塗る、髪型をする、飾りをする、花を飾る、回り道をして帰って何か見つける、落ち着いた夜を過ごす。小さな変化で人の気持ちはうんと変わる。




何かの「変わる」スイッチを押すきっかけになったらと思ってる。


年の瀬にしんみり思う。


私の還元できる事ってこれかなーって。

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