【 蝋引き紙の作り方 】

「言葉の暦」が出来るまでの試行錯誤とぼやき記録。

「蝋引き紙(ワックスペーパー)」とは?

紙に蝋を染み込ませたもの。石油系、植物系いろいろある。特性は撥水効果があり透けて見える。

では、作るか。

はい、印刷。

クラフト紙やボール紙は染み込み易く染料を使うインクジェット印刷は滲みと色が2段階ほど薄くなるので不向。
ぼやっとした絵柄になり、特にインク画のような細密画は潰れる。

左が染料インクジェット、右がトナー印刷。今回はトナー印刷。

蝋引きすると色が濃くなるのでそれを考えて画像処理。印刷しては修正してを繰り返す。

で、吟味後本印刷。

蝋引き前にカット。

蝋と刃物は相性が目茶苦茶悪い。
刃はすぐ使い物にならなくなるし、定規が滑る。
だから先にカットしたり切り取り線をつけておかないとダメ。

次、蝋剤を調合。

パラフィンワックス100%は融点が高いのでそのまま使うと馴染ませる前に印刷が熱で浮いて剥がれてしまう。
トナー印刷は熱で粉を圧着させているから再び熱をかけると剥がれる特性がある。

なので融点を低くするためと作業の際に滑りをよくするためにステアリン酸を配合。

これは不具合が発生した時点で「なんで?」「どこがおかしい?」「どうすればいい?」を調べまくる。
トナーの特性、使った蝋の種類、特徴から何を足して何を引いてを試験する。

初めから知ってたわけではない、検証、修正を繰り返して出来る。

煤の出具合、匂い、溶けるまでの時間をじーーーーーーーーっと見たりする、笑。

一度まとめてドボンとつけてやってみたが痛い目にあった。
冷めて固まると一枚一枚剥がせない、折れる。笑。

やり直しやん。急がば回れ。ほんまにな。

蝋引きした紙の間に2.3枚蝋引き前の紙を挟んでアイロン低温で蝋を溶かしていく。
蝋引きした紙から余分な蝋がしていない紙に移っていく。
それを何度も何度も繰り返す。

蝋が多くついているところは分厚くなって見た目も悪く、袋を作る際も蝋で接着剤が効かないので
限界まで蝋を吸う作業を何回も検品しながらアイロンを当てる。

理想はこのぐらいの霜降り。

あぁ、紙のことも忘れてた。
薄すぎるとクルンと丸まってしまうし、透け過ぎてカレンダーが見にくい。
厚すぎると蝋引きした意味一才なし。透明感が出ない。

なのでその中間となる。

浮かすとこんな感じ。ここまで蝋を取ると接着剤が効く。
蝋引き紙は基本滑る弾くので接着剤が効かない。


ちょいと特殊な接着剤が必要。
それも探すのにも大分時間がかかった。6年ぐらいか。

折り線をピンバイスでつけて接着。その後に再びアイロンで接着剤の部分を避けてプレス。

chielの道具は全部こういう私の日々の作業で必要だから作ったものだ。
まぁ、クラフト用やカルトナージュ用の道具は売ってるが可愛いくないと嫌だからさ。

嫌いな作業は「楽しくやるもんだ」

接着した後再度ぽこぽこ感を少なくするためにもアイロンでプレス。
袋の出来上がり。

ハトメ金具をつけて、ボールチェーンを通して出来上がり。



「蝋引き紙 カレンダー」はないことないが極端に少ない。

作ったから何でかよーく分かる。

蝋引き後の紙は刃物は痛むから裁断や印刷業者さんはしたくないだろうし、
印刷、裁断した紙は蝋引き業者はやりたくない(基本はロールでする)

手間しかかからん。笑
可愛いけどね。


次回は出来上がった暦の中身の話とディスプレイのアレンジ方法です。



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